「宝くじを買う人は馬鹿」と決めつけるのは安直

雑記

皆さんは宝くじを買いますか。

私は生涯で一度だけ3,000円分買い、その時に10,000円当たったきりです。

つまり「宝くじで勝ち越している」珍しい人間です。しかし、宝くじを買ったことがある人の大半は負け越しているでしょう。宝くじの期待値はマイナスですので、当然ですね。

一般的に「宝くじを買う人は期待値が計算できない馬鹿」と言われることが多いです。

でも、本当にそうでしょうか。

私は半分正解、半分不正解だと思います。

その理由を以下で説明します。

宝くじを買う人には2タイプ存在する

宝くじを買う人には大きく分けて2タイプ存在します。

① お金目当て

1つめのタイプは「お金目当て」で宝くじを買う人です。

  • 借金を返したい
  • 仕事を辞めたい
  • 豪遊したい

などなど理由は様々ですが、一獲千金を狙って宝くじを買います。

このタイプは、残念ながら馬鹿と言わざるを得ません。

お金目当てで期待値がマイナスの賭けをしているわけです。「お金に困っているから」と、1万円札を5000円で売っているようなものです。

百歩譲って競馬やパチンコなど多少なりとも実力を介在する余地があるギャンブルならともかく、宝くじのような100%運否天賦の賭けに金銭目当てで挑むのは愚の骨頂でしかありません。

② 体験価値目当て

2つめのタイプは「体験価値目当て」で宝くじを買う人です。

  • 「もしかしたら大金が当たるかもしれない」というドキドキ感やワクワク感
  • 「●億円あたったら何に使おう」と妄想したり家族や友人と盛り上がる楽しさ

こういった体験に価値を見出して宝くじを買う人もいます。

私が生涯で1回だけ買ったのも、会社の上司や先輩と「全員で当選確認して大金当たった奴がいたら飲み会奢り」というゲームを楽しむためでした(当選金額が1万円と小さかったこと、一番下っ端だったことから奢りは免れました)。

このタイプは宝くじの期待値がマイナスであることは理解した上で、「宝くじを買うこと」自体に金銭的価値を見出しているので、至って合理的な行動です。

2タイプの見分け方

「体験価値目当て」と言っても結局はお金が当たることを期待しているだろ、どう違うんだ、と思った方がいるかもしれません。

宝くじを買っている方で、自分はどちらなのかわからなくなってしまった方もいるでしょう。

「お金目当て」で宝くじを買う人と「体験価値目当て」で宝くじを買う人を見分ける簡単な方法があります。

それは外れたとき(金銭的に損したとき)の感情です。

「腹立つ」「損した」「買わなければよかった」などネガティブな感情が沸き起こる人は「金銭目当て」のお馬鹿さんです。お金を得ることが目的だったため、その目的が達成できなければ不満を抱きます。

逆に「残念だけど楽しかった」「買ってよかった」とポジティブな感情を抱く人は「体験価値目当て」の人でしょう。「お金が得られるかもしれない」という期待に対価を払っているので、結果的に当たっても外れても満足感を得られるのです。

大事なこと

「体験価値目当て」で宝くじを買う人の存在を知らない・想像したことが無い人にとっては、宝くじを買う人全員が「期待値の計算が出来ない馬鹿」に見えてしまいます。

しかし、上で述べた通りそれは誤りですね。

かと言って、誰もが十分な知識を持って合理的な判断を下しているかと言えば決してそんなことは無く、常人には想像し得ないほど知的レベルが低く、思考が浅い人間が存在していることも確かです。

自分の価値観に照らし合わせると合理的ではない行動をしている人に出会った際には、

  • 単に知的レベルが低いだけで非合理的な判断を行っている
  • 自分が見えていない価値に基いて合理的な判断を行っている

のどちらであるかを慎重に見極めることが大切です。

部下や後輩の育成、子育て、サービスや商品の企画・マーケティングなど日常や仕事の様々な場面で、この考え方は重要になります。

そういった意味で、宝くじはわかりやすい題材でしたね。

 

ただ、もしかしたら「金目当て」で宝くじを買っている人のモチベーションについても、私が理解・想像できていないだけで、合理的な説明が付く可能性も否定はできません。

その場合は私の知識が思考力がまだまだ足りていなかったことを喜んで受け止めますので、「私は合理的な判断の元、金目当てで宝くじを買ってるぜ」という方は、是非その判断理由をご説明いただければ幸いです。

 

それでは。

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