「キラキラネーム」という言葉をご存知でしょうか。
一般的に、以下のような名前を揶揄するスラングです。
- 難読漢字や極端な当て字などを利用しており、初見で正しく読めない名前
- 外来語や海外の有名人の音を真似た日本人らしくない名前
- 名前として相応しくない語感や漢字を含む名前
なお特定の名前の方を誹謗中傷する意図は無いため、本記事では具体例は明示しません。
一昔前は「DQNネーム」と言われていましたが、いつからか「キラキラネーム」と呼ばれるようになりました。
キラキラネームに関する通説
インターネット上ではよく「キラキラネームの子は事件や事故に巻き込まれやすい・犯罪を犯しやすい」と言われています。
確かに事件や事故、特に親が加害者となった場合のニュースでは、一風変わった名前の子が目立ちます。
ただこれは、変わった名前であるため注目されやすく、人々の記憶に残りやすいからとも考えられます。
また、キラキラネームの子供は学力が低い傾向にあるとも言われます。
これは残念ながら、私の経験側とも合致します。小中学生向けの塾で講師のアルバイトをしていた際、学力が低いクラスほど、初見で読むことが難しい名前の児童・生徒が多かった記憶があります。
上記2点の通説に対しては、
- キラキラネームを付ける親は知的レベルが低く教育にも無関心である
- 親が十分な教育を行わないため事件や事故に合いやすく、性格が歪んで犯罪者になりやすい
- 知能の高さは遺伝の影響もあるため、学力も低くなりやすい
という説明がなされることが多いです。
私も概ね同意なのですが、もう少し詳しく議論するために、キラキラネームの定義を考えてみることにしました。
キラキラネームの定義
いよいよ本題です。
私なりのキラキラネームの定義を述べます。
キラキラネームの定義:子の幸せよりも親の満足を優先して付けられた名前
このような定義をした理由を説明します。
私は名前は「親から子への最初にして最大のプレゼント」だと考えています。
名前は生まれてから死ぬまで、期待値で言えば80年程度付き合うもの。
名付けにあたって親が最優先に考えるべきことは「子の幸せ」ではないでしょうか。
幸せの形は様々ですし、親が考えた通りの幸せが子にとっての幸せとは限りません。ただし、
- どんな年齢・どんな場面においても、誇りを持って自分の名前を名乗れる
- 初対面の人に悪印象を持たれない
といった最低限の幸せ、言い換えれば「明らかな不幸を避けること」は共通認識として差し支えないでしょう。
しかしながら、一部の親は、そういった「明らかな不幸の回避」よりも「自己満足」を優先してしまうのです。
- 他に誰もいないような奇抜な名前を付けて目立ちたい
- 日本人離れした名前を付けて型に縛られない親だと思われたい
- 好きな芸能人やキャラクターの名前を付けて傍に置いておきたい
このような自己満足のためだけに安直に付けた名前が、冒頭で述べたような、一般的にキラキラネームと言われる名前になるのではないでしょうか。
どれも一番に子の幸せを考える親であれば、取るはずがない名づけ方法です。
幼稚園や学校でいじめられないか。
就職活動でどのような目で見られるか。
社会人になって名刺交換をしたときに、相手がどう感じるか。
歳を取ってからも名乗るのが恥ずかしくないか。
まともな親であれば、そういったことも考えるのではないでしょうか。
物心つく前の幼い子どもの髪を染めたり、奇抜なファッションをさせている親も、同じく自己満足を優先して子の不幸に対する思慮が足りていないのでしょう。
このような定義の元、改めてキラキラネームに関する通説を考察してみます。
- 子の幸せよりも自己満足を優先して考える親が子にキラキラネームを付ける
- そのような親は日常的に子の幸せよりも自己満足を優先するため、子に対する金銭面・時間面の投資も疎かになる
- そのため子は満足な愛情も教育も受けられず、性格が歪み、知的レベルも向上しない
- 結果として、子は自己優先の親による虐待や不慮の事故の被害に合ったり、逆に事件の加害者になる確率が高くなる
キラキラネームの子が事件・事故に関わったり学力が低い傾向にあるのは、キラキラネームそのものが原因ではなく、親の自己優先的な性格と、それによってもたらされる子育てに対する無責任さが原因だと推測します。
キラキラネーム問題の解決策?
キラキラネームであることが、すなわち子が事件・事故に合ったり、学力が低くなることにつながるわけではありません。しかしながら、キラキラネームを付けられた子が、そうでない子に比べて日常生活のあらゆる場面で不幸な目に合うことは明らかです。
何とかしてキラキラネームが付けられてしまう子を減らせないでしょうか。
以下は私の妄想した解決策です。
名前(フルネーム)のキラキラネーム度測定を計算するエンジンを開発し、インターネット公開するのです。
- 漢字は一般的な読み方であるか
- 名前として不適切な熟語や読みが含まれていないか
- 過去の重大犯罪における加害者や被害者等と一致していないか
- その他一致することが望ましくない名前(ネットで炎上した人物や性風俗関係者等)と一致していないか
などを総合的に判断し、キラキラネーム度を計算します。
この計算結果が一定値以上だった場合は、役所で出生届を受理しません。
平時から誰でも使えるようインターネットに公開しておきます。
膨大なデータをもとに判定ロジックを作る必要がありますが、機械学習の活用によって成し遂げることは不可能ではないと考えます。
特徴量の抽出が十分ではない初期段階では、クロールで集めた名前をランダム表示し、キラキラネームだと思うものをユーザに選んでもらうことで教師データを作成する方法も考えられます。
これはreCAPTCHAがOCRや画像認識の精度向上の目的で提供されたのと同じ考え方です。
私は機械学習の専門家ではないのでアイディアどまりなのですが、社会的意義が大きい取り組みだと思いますので、このアイディアが志と技術力の高い専門家の目に止まって前進することを切に願って、筆を置かせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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