パパ活女子と大企業管理職の共通点から学ぶべきこと

雑記

若い女性がお金持ちの中高年男性からお金をもらってデートなどをするパパ活。

ここ数年でよく目にする単語だが、特に新しいものではなく、一昔前には愛人契約や援助交際と言われていたものが、名前を変えて続いているだけだ。

パパ活女子の問題点

パパ活を行う女性(以降、パパ活女子)の問題点として、「金銭感覚の麻痺」がよく挙げられる。

高価な飲食店での食事やブランド物を与えられたり、労せずして高額な報酬を得られることから、金銭感覚が麻痺してしまう。その結果分不相応に生活レベルを上げてしまい、パパ活で稼げなくなってからも生活レベルを下げられず、出費が嵩んで生計が成り立たなくなる。

パパ活を行う男性側には、あえて若い女性の金銭感覚を狂わせてから突き放し、途方に暮れる姿を見て楽しむ者もいると聞く。

しかし、私は「金銭感覚の麻痺」は表面的な問題であり、根本原因は別にあると考える。それは「自己価値の優良誤認」だ。

真っ当な人生を歩んでいる場合、10代-20代前半でアルバイトで時給1000円稼ぐことの大変さや、正社員としての月給20万円の重みを知る。そしてそこから収入を増やすために必要な努力やスキルを知り、自分の人生と向き合うことになる。

  • 報酬を得るためには、誰かに対してその報酬以上の価値を提供しなければならない
  • 自分の人生は自分で責任を持っていくしかない

といった重要かつ当たり前な事実を、遅くとも20代のうちに体感・理解するはずだ。

しかしながら、10代後半や20代前半でパパ活に手を染めた場合はどうだろう。

数時間お金持ちのおじさんと美味しいものを食べて、欲しいものを買ってもらうだけで、アルバイト数十時間分のお金がもらえるし、同じことを月に2,3回繰り返すだけで、大卒初任給程度は稼げてしまう。

そこで

「私にはそれだけの価値がある」

と勘違いしてしまうパパ活女子が多数いるのではないだろうか。

これが「自己価値の優良誤認」だ。言うまでもなく、実際に価値があるのは彼女自身ではなく「若い女性である」という期限付きの装備品である。

自己価値を優良誤認したまま労せず分不相応な報酬を得続け、数年経って「若い女性」の期限が切れたときにどうなるか。そこにいるのは、社会で報酬を得るためのスキルもマインドも自分の人生への責任感も無い、それでいて「私には価値があるはずだ」と勘違いしている、精神年齢は10代前半で止まったままのアラサー女子だ。

大企業管理職の問題点

ここで話をガラッと変える。

かつての終身雇用神話が崩れ、名だたる大企業においてもリストラや希望退職の話題が尽きない。中でもやり玉に挙げられがちなのが、給料が高い40代-50代の中間管理職だ。

そして彼らがいざ転職市場に乗り込むと、思いもよらない冷遇が待ち受けている。

特筆するスキルや何らかのリソースを伴っての転職ならまだしも、ジェネラリスト育成で社内調整中心に生き残ってきた大企業の管理職経験者は転職市場での価値は低く、少なくとも年収ダウンは避けられないことが多い。

しかし当の本人は

「○○(有名企業)で部長だった」

「200人の部下を抱え、年収1500万円もらってた」

「毎年何十社もの下請け企業が、私に挨拶しに来ていた」

「そんな私がなぜ年収700万円でも仕事が見つからないんだ」

といった考えであることも珍しくなく、転職エージェントを悩ませる。

同性代が資格を取ったり社外で通用するスキルや経験を身に付けて市場価値を高める中、大企業の看板に胡坐をかいて上司へのゴマすりと社内調整業務に時間を費やして管理職に昇進。

大企業であれば能力が高い社員が集まりやすく、リソースも制度も整っており、特段マネジメント能力が高くなくても管理職は務まる。

部下は出世のため、取引先企業は仕事のために擦り寄ってくるだけで、人望があるわけではない。
実際に価値があったのは「有名企業の社員」「有名企業の部長」という看板であって彼自身ではない。

しかし本人は「自分に価値がある」と勘違いしている。

年齢も状況も違えど、先に述べたパパ活女子と同じ「自己価値の優良誤認」が起きているのである。

誰もが他人事ではない

実際のところ、パパ活から足を洗って真っ当に生きている女性も、大企業の管理職から転職して成功している人もいるだろう。

パパ活女子であれば、期間限定の若さブーストで稼げていることを自覚し、生活水準を上げず将来に向けて勉強や貯蓄をする。

大企業勤めであれば、大企業の看板ありきで今の地位や報酬があることを理解し、社外で通用するスキルや人脈の獲得を怠らない。

自己価値の優良誤認を起こさなよう常に自分を客観的に見ていれば、いざ人生の岐路に立ったとしても、詰むことは無いだろう。

そしてそれはパパ活女子や大企業勤めに限らない。誰でも自己価値の優良誤認は起こり得るし、その結果思わぬ事態に陥ることがある。そうならないためには、以下のようなことを常に考えることが重要だ。

  • 今ある地位や生活水準は、なぜ得られているのか
  • それが揺らぐリスクはどんなものがあり、それはどれくらいの確率で起こるのか
  • リスクを軽減するために何をすべきか

もう少し具体的に考えてみる。

  • 自分の収入は、誰が何に価値を感じて払っている対価か
  • その価値は、未来永劫続くのか
  • リスクヘッジのために、他にも価値を持っておく必要はないか

こういったことを、一度でも考えたことはあるだろうか。自分を客観的に見てリスク分析することは、どんな人にとっても幸せに生きるために重要なことだと思う。

そして、同じ環境にいる人とだけ接しているとどうしても視野や思考が狭まってしまうので、意識して違うコミュニティに参加してみるなどの行動が重要かもしれない。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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