以前住んでいた町に行く機会があったので、当時よく通っていたイタリアンレストランでランチをすることにしました。
店構えは変わっておらず、入ってすぐに
「あの席で娘の2歳の誕生日パーティをしたな」
なんてことを思い出したりもしました。
メニューは変わり値段も少しだけ上がっていましたが、味は当時と変わらずとても美味で、スタッフも知った顔はいなくなっていたけれど、皆とても親切でした。
満足して会計をしようとクレジットカードを出した瞬間、耳を疑う言葉が聞こえてきました。
「すみませんが、クレジットカードは3000円以上でないと使えないんですよー」
あ、それ言っちゃうんだ・・・
その瞬間、いつも感じる怒りや呆れとは別の、何とも形容し難い感情が沸き起こりました。
幼馴染みがネズミ講の勧誘をしてきた
とか
生き別れの兄が悪の手先として故郷の村を焼きに来た
とか、そんなときに感じる感情と似ているように思います。いや、どっちも経験ありませんが。
クレジットカード加盟店がやってはいけないこと
ひょっとしたら、ここまで読んで「何言ってるのかわからない」と思った方もいるかもしれませんので、ちゃんと説明しておきます。
クレジットカードが使えるお店は、クレジットカードの加盟店契約会社(アクワイアラ)と加盟店契約をしています。その際に「加盟店規約」に同意しており、違反すると最悪の場合契約解除される可能性があります。
加盟店規約の内容はアクワイアラによって異なりますが、日本国内のほぼすべてのアクワイアラが課している、加盟店(お店)の禁止行為があります。以下の3点です。
①クレジットカード払いを拒否する
②クレジットカード払いに制限(条件)を課す
③クレジットカード払いをその他支払い方法(現金等)に比べて不利に扱う
例えば、JCB加盟店規約には以下のような条項があります。
(第11条 (加盟店の義務、禁止行為等))
2.加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
冒頭に紹介したケースは、クレジットカード払いに「会計が3000円以上」という制限(条件)を課しているので、明らかな規約違反行為となるわけです。
ありがちな加盟店規約違反行為
以下のようなお店は、皆さんも何度か出会ったことがあるのではないでしょうか。
- クレジットカード払いの場合は手数料●%をいただきます
- ランチタイムはクレジットカードが使えません
- ●円以上でないとクレジットカードは使えません
これらはすべて加盟店規約違反のため、カード加盟店契約会社に通報した場合はお店に是正勧告が行きますし、最悪の場合加盟店契約を解除されてクレジットカードが使えなくなります。
もしこのようなお店に出会ったら、きっぱりと加盟店規約違反であることを伝えて、クレジットカード決済を行いましょう。
もちろん悪いのは加盟店規約に違反しているお店側ですが、知識のないクレジットカード利用者側が安易に違反行為に準じて現金払い等に切り替えてしまうことで、悪事を野放しにしてしまっている可能性もあります。
ほとんどのお店はこれらの行為を加盟店規約違反であることをわかっていてやっているので、「違反ですよね?」と指摘すれば、素直にクレジットカード払いに応じる場合が多いです。アルバイト店員だと知らない場合もありますので、店長など話の通じる方を呼んでもらいましょう。
ちなみに今回の私のケースでは店長が不在だったのですが、会計を担当した店員の方に丁寧にクレジットカードの加盟店契約や規約の説明を行ったところ、しっかり理解してクレジットカード決済に応じてくれました。店長にも話しておいた方が良いですよ、と伝えましたが、その後どうなったかは知りません。
初めてのお店で違反行為に出会った場合は怒りや「またか・・・」という呆れた感情が湧くのですが、数年ぶりとは言えお気に入りの店だっただけに、利益追求のあまり違反行為に走っていることに素直にショックを受けました。
店を擁護する意見に対する反論
クレジットカード払いに対する手数料や制限といった加盟店規約違反を指摘する記事やサイトは過去にも多く書かれているのですが、そのたびに店を擁護する意見が出ることがあります。
- クレジットカード決済だと店に手数料がかかる(だから違反しても仕方ない)
- クレジットカード決済だと入金まで時間がかかる(だから違反しても仕方ない)
・
・・
・・・
「だから何?」
そりゃ、クレジットカード決済だと利益が減って入金が遅くなるのは知ってます。
そのデメリットを被ってでも得られるメリットがあるから、クレジットカード加盟店契約をしたんですよね?
- クレジットカード払いしかしないお客さんをつかまえられる
- 手持ちのお金が無くても払えることで客単価が上がる
- 宴会等大人数での利用が増える
などのメリットが。え?無い?デメリットの方が大きい?
じゃあ、今すぐクレジットカード加盟店契約を解約してくださいな。
加盟店規約違反行為を行いつつクレジットカード払いを続けなければ店の経営が成り立たないのであれば、それは単に経営に失敗しています。
「おいしい思いだけして義務は果たさない」なんて、そんな虫のいい話はありません。
もちろん「お世話になっている店だからクレジットカードを使わずに現金で払ってあげよう」という客の行為を咎めるつもりはありません。
ただ、店はクレジットカード払いをOKにしている以上、拒否したり制限する権利は無いし、客もクレジットカード払いを遠慮する必要はないのです。
もし堂々と加盟店規約違反をしているお店の方が見ていらっしゃったら、改めていただければ幸いです。
コメント
昨年、2人で食事し別々で会計したさいに別々だとカード決済できませんと言われ
唖然としまし、イラッとしましたが
後でカード会社に言いつけるつもりで現金で払いました
その後カード会社に電話するも繋がらない、、、、繋がらない、
待ち時間の通話料金払うのもバカバカしく断念しかれこれ半年、、、
何処かに通報窓口無いですかね、、、